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　己のエースに一途なまでに捧げられる献身。
　しかし、荒北は全員がエースと言わしめる箱学のレギュラーに選ばれるような男である。並の選手では引いて貰うどころか置き去りにされるのが関の山。つまり、荒北自身の能力の高さ故に、最初のハードルからして高すぎた。尚且つその献身は彼に認められた者にしか発揮されない。従って荒北に運ばれてみたいと願う者は多けれど、その資格を獲ること自体が狭すぎるほどに狭き門だったのだ。
　誇り高き野獣は、王にしか傅かない。